S&P500のPERは15倍を切っている
予想通り、2022年6月16日(木)のS&P500は下がって、6月17日(金)は一応上がって終わりました。
6月17日(金)はクアドルプルウィッチングデーでした。前日の6月16日(木)はかなり下げたものの、6月17日(金)はダウ以外は上がりました。
NYダウ -0.13%
NASDAQ +1.43%
NASDAQ100 +1.24%
S&P500 +0.22% https://t.co/n55dueazcy— 八方美人 (@happoubeauty) June 18, 2022
S&P500が2022年6月17日の終値時点で3,674.84で、予想EPS(一株あたりの利益)は250ドルが予想されているので、PER(株価収益率)に直すと14.699倍で、これは近年ではなかなかの割安水準です。
ジェレミー・シーゲル教授によると、平時のPERは18-20倍で、過去150年間のアメリカ株式市場の平均PERが15倍ということなので、今はお得な水準だといえます。
ところで、2022年6月16日(木)のFOMCでFRBはFFレート(政策金利)を1.50-1.75%まで引き上げましたが、リバースレポをみると、即日で1.55%になっています。
次のFOMCは7月ですが、FRB議長のパウエルさんは、さらに0.50%か0.75%上げる方向で市場に織り込ませているので、来月には2.25-2.50%になることが確実視されています。
中立金利が2.0-2.5%と言われている中、来月にはこの領域に到達し、インフレが鈍化しなければ、まだまだ利上げせざるを得ない状況が続きます。
現段階では2022年末までに3.4%までの引き上げの見通しです。
そして、6月からは量的引き締め(通称QT)が始まっており、今後3ヶ月間、バランスシートを毎月475億ドル縮小していく計画です。
今年9月には950億ドルの削減を計画していて、2023年末までにバランスシートを7.6兆ドル縮小することを目標としているわけです。
やはりコロナ禍にお金をばら撒きすぎました。これらの状況は確実に株式市場にとってマイナスで、問題はどこまで下がるかということです。
今後どこまで下がるか
2022年1月のS&P500の最高値は4,818.62で、今が3,674.84なので、すでに23.8%下落したことになります。
今後どのような動きになるかですが
直前の最高値から20%下げた状況をベアマーケットと呼びますが、今回のような利上げ局面での今までのベアマーケットでの下落率はこのようになります。
利上げ局面での今までのベアマーケットでの下落率と下落期間
下落率 :27.1%~48.2%
現時点23.8%下落
⏩目安:さらに3.2%~24.4%の余地あり
下落期間:1年6か月~9か月 現時点5か月経過
⏩目安:さらに1年1か月~4か月の余地あり
となります。
もう一つ懸念材料があります。それは為替です。
前回の記事でも書きましたが、1ドル135円が121.5円になると、ドルが10%下落していることを意味します。
FOMC会合で0.75ポイント利上げされたので米株投資を再開した
それはつまり、日本円で投資している日本人からすれば、S&P500が今よりも10%上昇しても、円高になって1ドル121.5円になったなら、日本円に換算すると、プラマイ0を意味します。
仮にS&P500が今よりも20%上昇したとしても、円高が進んで1ドル108円になったなら、日本円に換算すると、プラマイ0になります。
FRBの利上げが止まらない限り、当面円安は止まらないと思いますが、それほど遠くない将来、やはり円高になります。
株価も安くなって、ドルが安くなる(つまり円高になる)ということは、日本円で生活している私たちにとってはダブルパンチです。
2022年のインフレ下げ相場での米株投資戦術について
以上のことをまとめると、
・2022年6月17日終値の時点で、米株はすでにだいぶ安い水準になっている。PERは14.69倍(EPS予想を250ドルとした場合)
・政策金利は1.50%で、来月にも2.25-2.50%になることが確実で、今後も利上げは続き、2022年末までに3.4%までの引き上げが予想される。
・リセッションはほぼ避けられない。
・株価はもっと安くなる可能性が高い。
ということで、私が考える2022年のインフレ下げ相場での米株投資戦術は
すでに安いのだから今から定額で少しずつ買い始め、でも、貯金も多めにしていきます。たとえば、月に10,000円投資に回せる人がいるとします。毎日200円ずつemaxis SlimS&P500 に投資していき(200円×22日=4,400円/月)残りの5,600円は貯金しておく。そしていよいよ景気後退が現実味を帯びてきたら、ほぼ必ず円高に振れるので、それをサインに、溜めてきた金額を多めに何回かに分けて投じる。と言う方法です。
なお、下げ局面でもリリーフラリー(一時的な反発)はあるはずなので、たとえばS&P500が4,100とかを超える時には、投資は一時的に控えると言うふうにすると良いのかもしれません。
今回の記事でも参考にさせていただいた岡崎良介さんの [マーケットディーパー] はとてもわかりやすくて勉強になりました。
この記事を書いた人
- ウェブライターをしています。150を超えるクライアント様に記事を納品してきました。某有名キュレーションサイトでは1000万PVいきました。オスミーさんでも頑張ります♩